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大阪地方裁判所 昭和52年(わ)3602号 判決 1977年3月10日

被告法人

本店所在地

大阪市城東区成育三丁目一六番一六号

商号

株式会社丸善美術工藝社(代表者小寺善雄)

被告人

本籍

大阪市西区阿波座南通一丁目八九番地

住居

同市城東区成育三丁目一六番一六号

会社役員

小寺善雄

昭和五年一二月九日生

右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官足達襄出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告法人株式会社丸善美術工藝社を罰金六〇〇万円に、

被告人小寺善雄を懲役八月に、

それぞれ処する。

被告人小寺善雄に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告法人株式会社丸善美術工藝社は大阪市城東区成育三丁目一六番一六号(昭和四八年八月二八日以前は同市旭区太子橋三丁目一〇番四号)に本店をおき一般印刷紙器の製造販売業を営むもの、被告人小寺善雄は同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人小寺善雄は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  昭和四七年一〇月一日から昭和四八年九月三〇日までの事業年度において、その所得金額が二、〇一六万〇、八八〇円で、これに対する法人税額が七〇九万四、〇〇〇円であるのにかかわらず、売上の一部を除外するなどし、これによつて得た資金を架空名義の定期預金にするなどの行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和四八年一一月二九日、大阪市旭区大宮一丁目一番二五号所在旭税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一四七万〇、五五八円で、これに対する法人税額が三五万九、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税六七三万四、七〇〇円を免れ、

第二  同会社の昭和四八年一〇月一日から昭和四九年九月三〇日までの事業年度において、その所得金額が四、〇六四万五、五六九円で、これに対する法人税額が一、五四七万一、二〇〇円であるのにかかわらず、これに対する法人税額が一、五四七万一、二〇〇円で、前同様の行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和四九年一一月二五日、大阪市城東区中央二丁目一三番二三号所在城東税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一五六万一、五八四円で、これに対する法人税額が三七万〇、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税一、五一〇万〇、九〇〇円を免れ、

第三  同会社の昭和四九年一〇月一日から昭和五〇年九月三〇日までの事業年度において、その所得金額が二、一八七万二、七四四円で、これに対する法人税額が七八五万五、一〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五〇年一一月二一日、前記城東税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一〇五万六、五一七円で、これに対する法人税額が二四万二、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税七六一万三、一〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

被告人兼被告法人代表者小寺善雄の当公判廷における供述のほか、第一回公判調書中の検察官請求証拠目録に記載された請求番号1ないし73と同一であるから、これを引用する。

(法令の適用)

被告法人株式会社丸善美術工藝社につき

判示各所為

各法人税法一六四条一項、一五九条一項

併合罪加重

刑法四五条前段、四八条二項

被告人小寺善雄につき

判示各所為

各法人税法一五九条一項(所定刑中いずれも懲役刑選択)

併合罪加重

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

執行猶予

同法二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 栗原宏武)

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